過疎地といわれる田舎の小さな村は、どう生き残るか

つれづれ

1 木曽地域の現実を直視しなければならない
 (1)木曽地域は、他地域と異なり市がないという現実
    市があれば、雇用にしても、教育にしても、医療にしても、全てを村で整備する必要はなく、
   足りないところは隣接市に依存すればいいのです。
    しかし、木曽地域の町村には依存できる市がないため、自ら整備し、自立して生きていかなく
   てはなりません。
    最悪の場合、南木曽町には中津川市と合併できますが、大桑村にはその選択肢はありません。

 (2)行政も今は民間企業と同じように経済合理性を追求するため、人口が少ない、財政力がない町
   村は見捨てられるという現実

   「名古屋城からは御岳山は見えるが、長野県庁からは御岳山は見えない。それに県は木曽の御岳
   山を見ようとする気持ちもない。」ということを県のOBの方から言われたことがあります。
    県は、これから更に経済合理性を追求するため、例えば、近い将来、蘇南高校がなくなり、木
   曽病院がなくなるということも覚悟しなければならないのかもしれません。
    県は、現在、木曽病院における分娩を令和8年度から休止するとしています。県は、山間地の
   人口減少、少子高齢化は改善すべき重要な課題としながら、その一方で、分娩休止という人口減
   少、少子高齢化を促進させる政策を進めています。
    行政に民間企業のような経済合理性を追求されたら、過疎地といわれる田舎の小さな村は、真
   っ先に見捨てられることになってしまいます。

 (3)行政は、上記のような現実を知りながら、その対応策等具体的な取り組みはしないという現実
    確かに、行政が住民のために実施したいと思っても、財源など、色々な制約があり、実施でき
   ないことの方が多いのが現実です。しかし、大桑村の行政は、できることもしないというところ
   があるように思えてなりません。
    例えば、大桑村には日常生活に不安のある高齢者の一人暮らしの人が130人もいます。それ
   なのに、軽費老人ホーム等の具体的な対策について、検討すらしようとしていないように思えて
   なりません。
    大桑村には、他の町村に自慢できる村独自の貸付けの奨学金制度があります。また、都市部と
   地方の教育格差、大学等への進学率の低さ等、その改善が求められています。
    しかし、村は、奨学金(貸付)の貸し渋りをしています。なぜ、奨学金の貸し渋りをするの
   か、その理由がわかりません。

 (4)木曽地域、大桑村は、山林面積が96%で、国有林が70%もある。また、全国屈指の水力発
   電地域であるというポテンシャルを活用していないという現実

    木曽地域は、今まで山で生きてきました。これからも山で生きていく以外にありません。木曽
   から山を取ったら何も残りません。
    今は、SDGsで環境保全が商売になる時代です。村が国に代わって国有林の管理をし、村はそ
   れを生業とすることができます。それにより、相当の雇用が見込めます。
    また、関西電力は、木曽川の水力発電で、年間1,400億円の収益を得ています。これに
   5%の法定外目的税(水利権税)を課税すれば、木曽の町村は、70億円の税収が得られること
   になります。水力発電は火力発電のように燃料代がいらないので、関西電力にとっても十分負担
   できるものだと思います。